時には贈り物で女の子を喜ばせる

時には贈り物で女の子を喜ばせる



時には贈り物で女の子を喜ばせるブログ:2021年03月18日


一週間位前、全く連絡のなかった父親から
突然、電話がかかってきた。

電話の向こうから
酔いに任せ怒鳴る父親の声が響いた。
「お母さんをどこにやった!」

…頭がクラクラする。
立っているのが精一杯で、
おいらは受話器を握る手に必死の力を込めた。

「知らないものは、知らないとしか言えません。…失礼します」と、
おいらは事務的に振舞ったが、受話器を持つ手はガタガタと震えていた。

電話を終えた直後、おいらは激しい嘔吐に襲われた。
溢れ出る涙と、遠い記憶の中でそのままうずくまり、
しばらく立ちあがることができなかった。

家族という枠の中で、
幼いおいらは息をひそめているのが精一杯だった。
死に怯え、生きていることが怖く、
眠れない真夜中を幾度となく過ごした。

父親とお母さんは20年前に正式に離婚している。
それでも父親は家に出入りしては
日本酒を飲んで暴れていた。

10年前からは、お母さんは心を病んでしまった。
何も手につかないパニック障害とうつ病と診断された。

入退院を繰り返しながら、
現在は病院に隣接する施設にお世話になっている。
長年にわたり溜め込んだストレスに、心も肉体もに疲れている。
お母さんを父親と会わせる訳にはいかないのだ。

「お前を産むつもりはなかった。
父親に強引にされてできた子供だ。おろすわけにいかず産んだだけ」
売り言葉に買い言葉で言ったのかもしれないが、
お母さんが発した一言が今でも忘れられない。

「お前は父親にそっくりだ」とお母さんに言われる度に、
肉体の中に流れる血を全部捨てたい衝動にかられた。

…それでも、
おいらは、父親の陽に焼けた顔とごつごつした手が誇りで、
お母さんの歌ってくれる歌が安らぎだった。

そんな日が確かにあって、
今もどこかで父親とお母さんを心から憎むことができないでいる。
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